図書館司書課程では、図書館の役割や制度、サービスについて学んだり、情報にまつわるあらゆる知識を学んでいます。情報について詳しく学ぶことは、自身の所属するメディア社会学科での学びにも関連し、二つの分野でより学びを深めることができていると感じます。一方で、履修したことで図書館のイメージが変わったり、これまで触れなかった分野にも触れたりするなど、他の学問では学べなかった新しい視点や考え方も学ぶことができました。今回は、そういった自分にとって新しい学びを得たと実感できた授業をいくつか紹介したいと思います。
図書館概論(A) (中村 百合子 先生)
図書館の機能や使命などを学び、図書館の未来について考えました。授業ごとのリーディング課題は、理解するのが難しかったですが、アレクサンドリア図書館やバベルの図書館について知ることで、図書館とは何か、どういう機能を持つのかイメージを持つことができました。また、日本図書館協会の綱領「図書館の自由に関する宣言」やユネスコ公共図書館宣言などを知り、これまでなんとなく利用していた図書館が国民に対して大きな使命をもってサービスを提供していると分かり、図書館や図書館司書への印象が変わりました。
図書館情報資源組織論 (橋詰 秋子 先生)
図書館の情報資源やコレクション形成について学びました。二つの図書館のコレクション形成を比較・分析する課題では、広島市立図書館と立教大学図書館を、地域にゆかりのある人物資料に着目して比較しました。他方の図書館で見られない収集の特徴にどんな意義があるのか考えた時、その図書館の掲げる使命や資料集の目的などがみえてきて、図書館の資料収集に対する責任感のようなものを感じました。また、自分である順番に基づいてデータをリスト化し、深く分析する力をこの授業で身につけることができました。
図書館制度・経営論 (棚橋 佳子 先生)
図書館の制度や運営について知り、経営の視点で図書館について考えました。毎回出される様々な文献を読みながら、経営管理の手法PDCAサイクルの利用や、パブリック・リレーションズの実践について考えたり、海外のビジネス図書館の事例などをみて日本の図書館の課題を考えたりました。また、グループで図書館の現状をクロスSWOT分析し発表するワークでは、実際に自分たちが経営の視点に立って具体的なアクションプランを考えました。経営やビジネスの分野に触れることは、図書館司書の学びを超えて、全く新しい分野を学んでいるようで新鮮でした。
情報サービス演習 (小牧 龍太 先生)
情報サービス論で学んだ情報サービスの理論や方法などを、演習の中で実践しました。実際に図書館利用者を想定してレファレンスサービスの演習をすると、限られた時間の中で正確に求められている情報にたどり着くことの難しさを体感しました。他にも、立教大学図書館の中を対象者を想定して案内するコースを設計したりパスファインダー作成などもしましたが、どの演習でも他の人とサービスしたいポイントが異なっていたり、サービス側に臨機応変な対応が求められたりと、サービスのあり方もや図書館員に必要なスキルも一様でないことを知ることができました。
図書館情報資源概論で作成した分析レポートです。章立てした良いという先生のアドバイスのもと、章立てしのし直しました。
クロスSWOT分析は、自分の組織の状況を強み・弱み、組織を取り巻く環境を機会・脅威の四つに区分し、掛け合わせることで経営戦略をたてていく手法です。マーケティングに限らず、就活の自己分析などにも使われています。